皮脂腺の炎症をニキビと呼びます。
こう捉えると理解しやすいと思います。あご、頬、背中など、皮脂腺の多い部位はニキビができやすく、手足など皮脂の少ない部分にはニキビができません。また、幼児にはニキビができません。高齢者もニキビができません。つまり、皮脂量とニキビには関連があります。皮脂量が多ければ多いほどニキビができやすく、少なければ少ないほどニキビができにくい、ということです。皮脂がゼロであれば、ニキビは決してできません。
先ほど、ニキビ=燃料タンクの火事、と書きました。ここで、「火事の原因は何か?」「火事の原因を取り除くべきでは?」と考えるかもしれません。しかし、その考えはニキビには通用しません。轟々と燃え盛る火事を目の前にして「さっき放火犯を捕まえたから、この火事は消えるはず」と、言っているようなものです。“犯人探しの罠”にハマってしまうと、徒労に終わります。
逆に、燃料の供給がストップすれば(火元がなんであれ)例外なく鎮火します。燃料(=皮脂量)はホルモンによって調節されています。実際、当院のピルを主体としたホルモン治療であれば皮脂量を適切にコントロールできるため、97%ほどの確率で3ヶ月以内にニキビが治ります。6ヶ月以内であれば、ほぼ100%です。
蛇足ながら、ホルモン療法以外で皮脂をコントロールする方法は存在しないことを付け加えておきます。
<まとめ>