女性ホルモンにはエストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。
低用量ピルには両者が含まれています。ディナゲスト(一般名:ジエノゲスト)は黄体ホルモンのみ含まれています。つまり両者の違いはエストロゲンを含むか否かです。
全く同じというわけではありませんが、同じ面もあります。例えば、両者とも月経困難症、子宮内膜症や子宮腺筋症の治療効果があります。(ちなみに両者を比較すると、低用量ピルの方が治療効果は高いです。)
両者で大きく異なるのは避妊効果です。「ジエノゲストを飲んでいるから妊娠しない」これは誤りです。避妊を考えているならば、低用量ピルの方が適しています。
単純に効果だけを比較した場合、低用量ピルの方が性能は上です。
過去に血栓症を起こしたことがあるが月経困難症を治したい、といった方にはジエノゲストが適しています。低用量ピルは、過去に血栓症を起こしたことがある人には処方できないためです。
それを除けば、ジエノゲストの方が優れている点はありません。
ジエノゲストの副作用として、ほてり・頭痛・抑うつ症状といった更年期様の症状が挙げられます。これはエストロゲンの低下によるものです。
ジエノゲストをスタートすると、不正出血が頻繁にみられます。数ヶ月出血が続くのは珍しくありません。また、一旦落ち着いたと思っても再び出血する事もあります。低用量ピルの場合、出血が続いたとしてもせいぜい1-2週間であり、ホルモンが落ち着けば不正出血が見られる事は無い、と言ってもいいでしょう。
その他の副作用としてはニキビ、肌荒れ、シワの増加、骨密度の低下などが挙げられます。
現在、月経困難症治療薬であるディナゲスト0.5mgと子宮内膜症治療薬であるジェノゲスト1.0が発売されています。