低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンと呼ばれる2種類の女性ホルモンが含まれています。
ピルの服用を始めると、数％ほどの方はホルモンバランスの変化に伴い、軽い頭痛を感じる事があります。基本的には様子を見ていて大丈夫です。ピルをスタートしてからホルモンが安定するまで1,2ヶ月かかる事もありますが、いずれにせよホルモンが安定すれば頭痛は消えます。痛みが悪化してきたり、痛みが3ヶ月以上続く場合には、受診しましょう。
毎日決まった時間に服用することでホルモンが整い、頭痛が改善する事があります。
市販の痛み止めを使用しても差し支えありません。（当院では扱っていませんが、ピルの種類によっては、アセトアミノフェンを主成分とする痛み止めは併用する際に注意が必要です。）
ピルを開始したばかりであれば、ホルモンによって一時的に頭痛を感じる事があります。半年以上服用しているが頭痛を感じる、といった場合、その頭痛はピルとは無関係だと考えられます。
片頭痛の他、脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などによって頭痛を感じる可能性があります。
「ピルは血栓症を起こしやすいので注意しましょう」「頭痛を感じたら、それは血栓症かも知れません」という話を聞いた事があるかも知れません。血栓症を起こすかどうかは、ピルの種類によって大きく異なります。
当院で扱っているピルによって血栓症を起こした方は過去20年間にゼロでした。（全てのピルが血栓症と無関係である、という意味ではありません。）従って、頭痛を感じたからといって大袈裟に心配する必要はありません。
ピル服用の有無に関わらず、「ひどい頭痛」を感じている場合には頭痛外来などを受診しましょう。
ピルが原因でひどい頭痛を感じる事はまずありません。
